breath
退院当日の午前中
病院に迎えに来たのは会社を休んだ樹さんとお母様
ちなみに私の母は仕事だからという事で来ていない
普通、仕事より娘でしょう?
忙しい樹さんでも仕事を休んで来ているのになぜ自由の効くパート勤めの母が来ないのか意味不明
父だって前回の退院の時は会社を休んで来てくれたのに
迎えの人数が多いのはわかるけど、それならば樹さん達を断ってくれれば事が済むのに
私の知らない間に会計もお母様が支払ってくれて「私が支払います」って言っても断られる
病院を出た私達はお母様の車で樹さんの実家に向かう
普通こういう場合、男性である樹さんが運転するんじゃないの?
って思うけど、今は違うようだ
病院から車で15分
樹さんの実家に到着
通された部屋は二階の客室。15帖ぐらいの洋室でセミダブルのベッドが置かれている
部屋のテレビは大きく50インチはあるだろうか?
南向きでは日当たりも良くバストイレも備付け
ホテル並?それ以上のグレード
普通の一般家庭の客間を想像していたので部屋に一歩、足を踏み入れた時驚いた
布団もシ―ツも新調されていてお高そうに見える
私の為にお母様も気を使っているのがヒシヒシと伝わり、本当に申し訳ない
「ありがとうございます」
「私は明日美ちゃんの事を娘だと思っているからうちに来てくれて泊まってくれて嬉しいの。私にも旦那にもいっぱいワガママ言ってね」
相変わらずテンション高く話すお母様
真意が全くわからない
樹さんはずっとニコニコしている
お母様が作ったパスタを昼食に食べ、私は眠気には勝てず眠りにつく
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