breath
「彼女がいらっしゃるってことですか?」
「たぶん望月さんと同じ感じかな。もうすぐ別れる」
「そうですか」
「望月さん連絡先を教えてくれない?」
「一緒にいた佐々木さんと連絡先の交換をされました?」
「しつこかったからとりあえず教えたけど」
「佐々木さんを通して連絡してください」
「何で?望月さんだけに連絡したいのに」
「彼氏の件が解決していないので先には進めないのです。だからごめんなさい」
「遊びに行ったりするのは大丈夫?」
「佐々木さんが行くなら」
山下さんをオススメできるかというと現段階ではできない
もしかしたら会う回数を増やせば亜美の印象も変わるかも
「俺は望月さんと二人っきりが良いけど」
「遠慮しときます」
「じゃあ高宮でも呼ぶ?現社長の息子だし玉の輿になると思うよ」
「高宮さんとはそんなに仲が良いのですか?」
「まあ合コン仲間ってとこかな」
「ここ数年本社にいなかったですけど」
「最近はそういえばない」
「最近高宮課長と連絡は取られているんですか?」
「アイツ課長になったの?さすが社長の息子は違うよな」
「実力だと思いますよ」
「望月さん高宮のことを良く知っているんだ」
「子会社にいた時何度か仕事でご一緒したので」
「高宮と顔見知りだったら今度4人で遊びに行こうよ」
「プライベートで職場の人に会うのは嫌です」
自宅まで送るとしつこい山下さんに何度も謝って一人で帰る
キツイ言葉で逃げないのは亜美のため
山下さんと亜美がうまくいけば良いのに
今はそれだけを思うことにする
自宅に帰りお風呂に入って出てくると亜美からLINEのメッセージが
山下さんが二次会に行かなかったので亜美も行かなかったとか
偶然会い駅まで一緒に行ったこと
別れそうな彼女がいること
同じ会社だから樹と4人で一緒に何処かに行こうと誘われたけど樹との関係をばらすと引かれるし今は亜美の気持ちが優先だから言っていないこと
遊びに誘われたけど連絡先は教えなく亜美に連絡してくれと言ったことを告げた
【山下さんは明日美狙いじゃないの?】
世の中の狭さにびっくりしたけど私にはまだ恋愛は早いって改めて思ったと答えた
【山下さんを彼女から奪いとってもいいかな?】
【結果は期待できないかもしれないけど、後悔のないように動けば?】
【ありがとう。頑張ってみる!協力してね】
という亜美に対して応援するという私
それしか言えない
この出会いが波乱を含んでいたなんてこの時は思いもしなかった
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