breath
そう言われてご機嫌な山下さんは私の方を見て
「じゃあ望月さんは?」 
「明日美に聞いたらダメですよ。彼氏とまだ解決していないのに」
亜美が助け舟を出してくれたのでホッとする
それからは4人での話
途中、山下さんのスマホに着信があったのでよそよそしく席から離れる
「あれは彼女からだな」
峰山さんが口に出して言った
「彼女ってどんな人ですか」
「同じ会社の子らしい」
本人は別れそうだと言っているけどそれは峰山さんにもわからない
私のカンだけどその言い回しは彼の合コン用の常套手段なのかもしれない
付き合いは結構長いらしいから
数分してから席に戻って来た山下さん

「彼女さんからですか?」
私が聞いて見ると「ああ」と不機嫌な返事
「急用ですか?」
「違う違う。部屋に来たら真っ暗だったからかかってきただけ」
「じゃあ早く帰らないと。そろそろお開きにします?」 
「連絡なしで勝手に来ただけだから」
「でも待っているんでしょう?」
「待ってない!合鍵渡していない」 
「冷たいですね」
「喧嘩ばかりだから会いたくない」
私と山下さんのやり取りをキョトンと亜美と峰山さんが見ている
「望月さん意外に言うんだ」
峰山さんが私にツッコミ、私は恥ずかしくなってそれ以上何も言えなくなった
その先は私に変わり亜美が彼女に対しての追求が始まる
恋愛期間は3年で年齢は私より1コ上の27才
最近結婚の話をしつこく言うから嫌気がしたとか
「それ酷いです」
「結婚って人生を添い遂げるものだろう?一緒にいて心地好い人といたいと思わないか?アイツは俺自身よりも肩書が好きなんだよ」
「俺は山下の気持ちも理解できるよ」
「だろ?アイツ結婚したいからって急に俺の一人暮らしの部屋に親を連れて来たり、会社で噂を流したり付き合いだしてからすぐ外堀を埋めだしたんだ」
「それは怖いかも。、でもそれぐらい必死なんだよね。結婚する気がないのなら別れたあげたらいいんじゃないの?」
亜美が山下さんに同情
「2年前から言ってるよ。でもプライドが高くて別れてくれない。でももうすぐ転勤だからそれも終わりだけどね」
私は口には出さないけど彼女さんに同情
そんなに必死なのに願いが叶わないのなんて
それから山下さんの悩み相談になり、その後お開きに
帰りも送ってもらうのを断り帰途についた
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