breath
寝る前にスマホをチェックしたら亜美からメッセージが
今日はずっと一緒にいた峰山さんに送ってもらうのではなく、山下さんを指名して送ってもらったらしい
亜美からのメッセージの内容は
【山下さんは諦めない。絶対に奪うから協力よろしくね】
強気の亜美らしい内容
私はこんなに強く追いかけたことはない
ある意味、それができる彼女が羨ましいけど真似はできない

数日後
相変わらず加藤専務に対する美奈子先輩の居留守攻撃は続いている
「望月くん」
課長に呼ばれデスク行くと
「加藤専務の仕事が押していて元秘書の望月くんに応援要請が来た。今から行ってほしい」
そういえば今さっき専務から内線があって美奈子先輩が居留守を使っていた
「私じゃないとダメですか?」
「直接のご指名だ。子会社の時の件の残務処理で助けて欲しいと言ってたよ。望月くんの仕事は急ぐ物もないようだし。取りあえず頼んだ」
そう言われると拒否することもできず事だけして席に戻る
美奈子先輩に
「加藤専務に呼ばれたので行ってきます」
「流されないようにね。自分で見極めて来なさい」
ポンと背中を叩き私を送り出してくれた
美奈子先輩の援護射撃はここまでか
居留守を使うことはリスクがあるにも関わらず、私の為を思って実行してくれた美奈子先輩、もう感謝しかない
専務の鳥カゴを飛びだしてわかってきたもいっぱいあったし、元いたこの世界も居心地が良い
何となくだけど、自分らしく生きれるような気がする
あの専務の自宅の部屋の件から数週間が経っている
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