breath
私営業スマイルをして
「優秀な専務秘書がやって下さっているので不用のようですね。ば総務に戻ります」
そう言いソファーから腰を上げようとした
なんとか無傷でこの部屋から出ることができる
一瞬、安心して緊張が緩んだんだと思う
専務はなぜか内線をかけコーヒーを二つ持ってくるように言った
のコーヒーを飲むのは私?
まだ逃してくれない?
「コーヒーを飲んで話をしよう」
専務の方が一枚上手
まだ勝つことができないし私は彼の手の平で転がされている過去の状況から何も変わっていないと改めて認識
私は刃向かう事もできずソファーに座り直す
数分後、秘書がコーヒーを持って来る
身長が高くてクールビューティといわれているベテラン秘書の松本さん
物腰も柔らかくて仕事も丁寧  
この人が専務秘書なら私が出る幕なんて全くない
彼女に勝てるところといえば若さくらい
専務より年上でベテランのはず
専務が不満を持つならそこだと思う
彼女は結構辛口らしいから
「30分後に来客があります」
私に聞こえるように言う松本さん
そういえば私に内線をくれた時秘書にやらさないで自分でやっていたって美奈子先輩が言ってた
私用だから言いにくいのか、それとも任せられないのか私といた時とは様子が違う
松本さんが部屋を出てから専務はコーヒーを一口飲みカップを置いた
「樹は仕事が難航していて、あと3ケ月は帰って来ないらしい」
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