breath
何を言われました?
聞き返したかったけど松本さんが醸し出すオーラが怖かったので止めた
第三者の今日初対面の貴方に言われる筋合いはあるのだろうか?
彼女の言葉で戸惑っている姿を楽しんでいるのか松本さんは余裕に微笑む
「私は森内常務付だったの。去年勇退されてからは担当がいない状態で後輩達の補佐をしていた。加藤専務が本社に異動の時、貴方が総務異動になったから私に白羽の矢が立ったわけ。でもね専務は元秘書の貴方を希望していて毎日人事に掛け合っているわ。私が能力がないとも言っているらしい。困るの。査定にも響くし。このままいけば私は秘書室にいられなくなる」
「専務と松本さんの関係が上手くいっていたらそんなことを言われないですよね」 
「まあ問題はそこなんだけど私本当にヤバいのよ」
話を聞いて見ると会社が経営の合理化を図るらしくまずお膝元の秘書科にメスを入れるらしい
その槍玉に松本さんが狙われているという噂が流れている
森内常務から外れて補助に回された時よそに飛ばされる寸前だったとか
その時、渡りに舟で専務付になったから安心したのも束の間で現状いつ外されてもおかしくない状態
「あと2年で40歳なのよ。結婚の予定もないから一人で生きていかなければいけないの」
そんな話を聞くと、二年前のどん底の時の私を思いだしそうになり悲しい気分になってしまう
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