breath

見えない？
見えて欲しい？
自分の中の葛藤
この飲み会が終わったら樹にモヤモヤの一番の原因であるあのベッドの残骸の事を追追及しなければいけない
もし予想通りではなければ私はどんな選択肢を選ぶ？
突然の帰国
そして現実を突きつけらている私
無性に不安な気持ちになってしまい、アルコールをぐいぐい口に運んでいた手がピタリと止まる
心臓がドキドキ高鳴っている
二時間後には私の人生が大幅に軌道修正されているかもしれない
私はキチンと選択をすることができる？
後悔しない？
自分の気持ちを樹に伝える事ができる？
言わなければいけない事を酔った頭の中で整理中
こんなことを予測しておけば飲みすぎることなんてなかった
ホント大馬鹿
私を除いた三人は学生時代の二人の話で盛り上がっているようだが、私の耳には話が全く入ってこない
入って来るのは身体中に急速に駆け巡っている激しい動悸の音だけ
多少は戻ったとはいえ、まだ痩せ細っている私の身体にはダメージを与えるくらいの衝撃
たぶん身体中の血液が心臓に集中して顔面が青ざめているのがわかるくらい冷たい
私は悟られてはいけないと思い、席を立つ
お手洗いに向かう足取りもフラフラ
辛い
帰りたい
ダメージが強すぎてネガティブ思考
化粧室の鏡に映る私は顔面蒼白
もう席に戻る元気はない
せっかく話が盛り上がっているのに、私のせいでお開きになるのはやるせない
個室の中で亜美にメッセージを打ち
【体調が悪いのでタクシーで先に帰るね。会計は立て替えといて。週明けに渡す。ゴメン】