breath
何も聞けない私は二人と別れ樹と大通りに向かう
体調の悪い私を気遣ってか樹は介添えするように私の肩を抱く
私達の間に会話はない
最後に会ってから1ヶ月あまりの時間が経っている
浮気の現場を見つけた私が何も言わないのはわかる
でも樹は?
何かアクションを起こすでしょう?
樹はタクシーを捕まえ二人で乗り込む
行き先は私の実家がある場所を告げる
私達って現状では交際してるよね
他人行儀な樹の態度を見ていると浮気したことを肯定している?
私に愛想を尽かしたとか?
何かを聞くと嫌な答えをされそうな
タクシーの中なので野暮な話はできない
私は無言
樹も無言
手を繋ぐとかの肌の接触もない
私は寝たふりをしているし、樹は窓の外の風景を見ている
アルコールが入ったせいもあり目を閉じていた私
コクリコクリ頭が揺れ眠ってしまう
うたた寝をしている数分間、一瞬冷たかった手が何か温かいものに包まれているような気がした
肩をトントンと叩かれて『着いたよ』という樹の声で目が覚める
私は自分の家に着いたと思いタクシーを降りる
なぜか樹も一緒にお金を払い車から降りたので、私を送って歩いて自分の家まで歩いて行くのだと思っていた
言いたい事言わなきゃ
明日か明後日に帰るからもう会えないかもしれない
「話があるの」
声をかけると今まで全く私を見なかった樹がやっと私の方を見た
重なる視線
やっていることは1ヶ月前と同じなんだけどお互いの内面は全然違う
「俺も明日美に聞きたいことがある。家の中で話そうか」
家の中?
よく見るとここは私の家ではなく樹の実家
体調の悪い私を気遣ってか樹は介添えするように私の肩を抱く
私達の間に会話はない
最後に会ってから1ヶ月あまりの時間が経っている
浮気の現場を見つけた私が何も言わないのはわかる
でも樹は?
何かアクションを起こすでしょう?
樹はタクシーを捕まえ二人で乗り込む
行き先は私の実家がある場所を告げる
私達って現状では交際してるよね
他人行儀な樹の態度を見ていると浮気したことを肯定している?
私に愛想を尽かしたとか?
何かを聞くと嫌な答えをされそうな
タクシーの中なので野暮な話はできない
私は無言
樹も無言
手を繋ぐとかの肌の接触もない
私は寝たふりをしているし、樹は窓の外の風景を見ている
アルコールが入ったせいもあり目を閉じていた私
コクリコクリ頭が揺れ眠ってしまう
うたた寝をしている数分間、一瞬冷たかった手が何か温かいものに包まれているような気がした
肩をトントンと叩かれて『着いたよ』という樹の声で目が覚める
私は自分の家に着いたと思いタクシーを降りる
なぜか樹も一緒にお金を払い車から降りたので、私を送って歩いて自分の家まで歩いて行くのだと思っていた
言いたい事言わなきゃ
明日か明後日に帰るからもう会えないかもしれない
「話があるの」
声をかけると今まで全く私を見なかった樹がやっと私の方を見た
重なる視線
やっていることは1ヶ月前と同じなんだけどお互いの内面は全然違う
「俺も明日美に聞きたいことがある。家の中で話そうか」
家の中?
よく見るとここは私の家ではなく樹の実家