breath
「匠が明日美ちゃんにちょっかい出して樹から奪おうとしているのもわかる。匠のことを好きならばそれはそれで仕方ない。祝福するわ。でも匠は強引だからそれに流されるのなら私は全力で阻止」
お母様は溜息を一つ
「知っていると思うけど樹と匠は将来の社長候補のライバルなの。それは会社がありきの話だけど。二人はそれなりにライバルとして意識しあっている。、それを理解してどちらかを選んでね」
「わかりました」
「親友と昔好きだった人の娘なのもあるけ貴方の事を実の娘のように思っている。だから幸せになって欲しいの。本音は樹と一緒になって娘になってほしいけど」
「はい」
「だから自分がこの人だ!って思う人を選んで結婚すれば良いから。私達に気兼ねすることはない」
話はそれで終わり私は樹の実家を後に
時計をみるとまだ11時。昨日の夜から突然で濃厚な半日だった

今日は珍しくお母さんが家にいるようで珍しく出迎え
「ただいま」
「お帰りなさい。樹くんこっちに帰っていたの?会う約束でもしていたの?」
「別に。偶然会っただけ」
「偶然に会える?彼、トンボ帰りでしょう?」
はいはい。母とお母様の間では話が筒抜けなんですね?
そうやって、自分の娘を傷つけて楽しいですか?
「何で樹の居場所とか動向とか知っているのに私に教えてくれないのよ。二年前も今も」
私の中の何かがプチッと切れた
「お母さんは私の母親でしょう?何でそんな酷いことばかりするの?」
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