breath

私は長女で両親に刃向かうことは生まれて一度もない
いつも親の前では良い子で育てられた
今みたいに母に声を荒げるなんて初めて
そんな私をお母さんは驚いた顔をしている
それも束の間
｢それで？｣
他人事のように冷たい声で私に聞き返す
｢お母さんは二年前に私と樹の中を引き裂くことをしたの？普通、母親なら娘のことを思って、樹の行き先ぐらい教えるんじゃない？｣
｢教えたら何かが変わった？私はそんなことをしてもしなくても結果は変わらないと思った。だからあえて手を出さなかったし、永遠子にも余計な事はしないように釘を刺した｣
｢娘をなんだと思っるの？私に対して愛情はないの？お母さんのやっていることはただの嫌がらせよ！｣
そう言い、私はお母さんをドンと突き倒した
私は怒っている
怒りに任せて押したから手加減は全くしていない
彼女は後方に倒れ尻餅をついた
痛そうな表情をしている
｢貴方が二年前、私に樹の情報を流さなかった事が原因で私は苦しんだの。鬱になったの。どれだけ絶望したか、どんなに辛かったかわかる？｣
二年前のあの苦しみが込み上げて絶叫　　
そして目から涙がボロボロ落ちてきた
お母さんは自分体の体制を整え痛そうに顔をしかめる
そんなお母さんが目に入っても手を差しのべることはしない
お母さんも助けを求めることはしなかった
｢知っているわ。その時、側にいたのは看病したのは私よ｣
｢看病していて何も知らなくて苦しんでいる私は滑稽でおもしろかったでしょう？お母さんは陰で馬鹿にして笑ってた？｣