breath
「何を言ってるの?親が我が子にそんなことするわけないでしょう?」
「お母さんはしたじゃない?私と樹を引き裂こうと」
「何甘えた事を言っているの?樹君が外国に行って連絡が取れないのも、病気になったのも全て私のせいだと思うの?誰かのせいにしたいだけじゃないの!」
「そんなことはないわ。あの時、お母さんや叔母様が樹の行き先を教えてくれたらこんなことにはならなかった。絶対!」
「明日美、感情的にならないで冷静に考えなさい!」
「お母さんこそもうごまかすのは止めてよ。素直に誤りを認めればいいだけじゃない」
「二年前の藤崎さんだっけ。あの女の人がお正月に乗り込んで来た時の事を思い出して?あの時樹くんの子供が出来たって乗り込んで来たんだよ。それが真実だったとしても樹くんの事をずっと好きでいられる?貴方なら生まれくる子供の事を思って身を引くでしょう?」
一瞬、そうかも・・・って思ってしまう
「他の人のものになるかもしれない人の情報を貴方は知りたかった?例え知ったとしても乗り込んで来た前の気持ちに戻れる?」
< 596 / 657 >

この作品をシェア

pagetop