breath
言われてみれば樹の実家は大きなお屋敷で、お父様も上場している会社の社長
お母様も現会長の娘で筆頭株主に名前が載っている
樹も将来を嘱望
改めて言われると、誰が見たって玉の輿
「そんなことなんか思っていない」
「そう?じゃあ冷静に判断ができるわね。過去の事で私を責めるより未来を見なさい。自分が幸せになる最善の選択を選ぶ。後悔のないように」
母はそう言いリビングに戻って行く
話したいことは全て終わったのだろう
私は?
私の要求は通らず、お母さんの意見を聞かされただけ
私も自分の部屋に戻るけどモヤモヤ感は払拭しない
反対に増幅
『人に頼らないで自分で決めなさい』母は言う
『私を自立させたい』お母様も言っていた
私の人生なんだから
樹は捨てても良い
もっと私に相応しい男性が現れる?
頭の中で考えるけど話が上手く纏まらない

それより連絡をくれなかった樹
二年前の樹がいなくなった時、グルになって何も教えてくれなかった母とお母様
この二人は私の為て言って謝罪なし
腹が立つ
もう二度と顔なんて見たくない!!
でも私は実家に戻っていて家族と同居している
嫌でも毎日母と顔を合わせなければいけない
もう嫌・・・

寝不足でより一層イライラしていた私は一つの答にたどり着く
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