breath
土曜日の夜
亜美と山下さんが一日中、寺院を回り疲れた足で夕方お店まで迎えに来てくれた
「明日美」
店頭で声をかけてくれる亜美
とても幸せそう
一応本命だったし
山下さん彼女とはどうなったんだろう?
まさか二股じゃないでしょうね?

仕事が終わり3人でリーズナブルなお値段の串カツ屋へ
とりあえずビールで乾杯
そして、ここ1ケ月にあったことをいろいろ聞く
ほとんど、樹の話
二人が自然と話し出した
私が気にしていると思って?
樹は本社に戻り部長に昇進
おそらく来年の4月にはも役員になるのではという噂
女子社員が一斉に樹に告白しているとか
「様子がおかしいのよね。昔だったら誰にでも優しく良い顔をしていた。断る時もスマートに断っていたのに、今は近寄るなオーラを醸しだしている」
「近寄るなオーラ?」
「目つきが怖いし睨む」 
想像してみるけどできない
というかありえない
亜美のジョークだと思って笑い出す
「本当なんだって!信じて」
「八方美人の樹だよ!普通だったらありえないし考えられない」
「昔の高宮部長が天使なら、今は悪魔。めちゃめちゃ怖いし、誰も近寄れない。明日美に逃げられたのがショックだったんだよ。きっと」
「私のせいね」
「自覚はあるんだ」
亜美が突っ込む
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