breath
「急ぎ過ぎじゃありませんか?こういう事は落ち着いて筋を通して」
「筋を通しても、上手くいかなかったじゃないか?3年前だって」
反論するけど彼の言うこともごもっともで、3年前から私達の関係はほとんど変わっていないどちらかというと後退している
「言っていることはわかるけど物事には順序とか・あるでしょう?」
「そんな事をしたら明日美はまたどこかに行ってしまうかもしれない?もう離れ離れになるのは嫌だ」
「でも・・・」
「とりあえず入籍だけ先に。あとは明日美のペースでよ」
「ごめん。私が逃げたから?」
「違う。離れ離れになるのが嫌なだけ。1日でも早く一緒に住みたい」
「でも仕事が」
「それは大丈夫。伯父さんに確認した。別に連れて行って良いって。お父さんからそう頼まれているらしいよ」
「ここのバイトは来週まで。俺が来週の金曜日仕事終わりに迎えに来る」
「樹、焦らないで。実家に帰りたくないの。樹の実家もお母さんが来るでしょう?だから、住むところが決まってからではいけないかな?」
「それなら大丈夫。前に明日美と住んでいた社宅、あれは加藤家のマンションで今は空室。そこで明日美を迎える」
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