breath
今日の樹は寝起きなのに、いつもよりもニコニコしていて嬉しそう
何かあったの?
「樹どうしたの?」
「わからない?」
「教えて下さいよ!」
「明日美が自分からキスをしてくれただろう?それが可愛すぎて、嬉しすぎて」
またギュッと私を抱きしめる
そして樹が久々に私の唇に軽いキスる
久しぶりの樹の唇
懐かしいような、やっとキスをしてくれたことが嬉しいような
「再会してからずっとキスをしてくれなかったの?」
「聞く?そのこと」
「聞きたい」
「明日美からキスしてくれたから。ずっと俺のペースでずっと動いていただろう?もしかしたら、ただ流されているだけなんじゃないかって不安だった。だから手を出すのが怖かった。拒否をされそうで」
「ごめんなさい。そんなに不安にさせて」
「謝る事じゃない。もしかしたら、ただ俺に見つかって観念して帰ってきたのかなって」
その通りです
貴方が京都にいるという選択肢を与えてくれなかったから今、私はここにいる
でもそれはさすがに彼には言えない
「だから明日美から、何かをしてくれてからそういうことをしようと思っていた」
ニヤって嬉しそうに笑う樹は、力強く私に自分の唇を私の唇に押しつけてきた
力強く
今まで貯まっていた感情をぶつけるように
< 635 / 657 >

この作品をシェア

pagetop