breath
疲れ果て眠りから覚めたのは次の日の朝9時を過ぎた頃
朝食を知らせるフロントからの内線電話の音でお互い目を覚ます
樹はわからないけど、私の身体の節々は久しぶりのせいか痛い
「疲れた?大丈夫?」
「少しね」
「もうすぐ朝食がだから先に着替えるよ」
樹はシャワールームに行ってしまう
私は自然と目を閉じてしまい眠りに

「明日美、起きて」
耳元で樹が囁く声で、目が覚める
「朝食が来たよ。シャワーを浴びてから食べようか」
朝食は夕食を食べた場所と同じで、窓の外の景色は昨晩とは一転全く違っている
夜景には劣るけど、それはそれなりに清々しい景色
「来年のクリスマスイブもここに予約を入れたから」
「ありがとう。嬉しい」
今度来る頃の私達はどうなっているのだろう?
全く、想像もつかないけど一つわかるのは樹とこの場所でまた朝食を取っている事
3年前みたいに、どんでん返しがないことを祈るだけ
いつまでこのトラウマに縛られつづけなければいけないのだろう
今は笑い話でしかないけど
でも、これからは平穏な幸せを祈るだけ
もう、誰も私達の間を邪魔しないように
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