breath
浴槽一面、真っ赤な薔薇の花びらが
リアルでは見るのは初めてで感動のあまりシャワーを浴びるのも忘れて、そのまま湯船に浸かった
赤いは薔薇の花びらを手に取ると、レプリカとかではなく本物
樹は私の為に用意をしてくれたんだ
「あーお姫様みたい」
幸せのあまりか独り言が自然と口から洩れる
甘い薔薇の香りに囲まれて、ご機嫌に鼻歌まで歌っている
積もり積もった疲れも、吹っ飛んじゃう
樹ありがとう
本当に感謝しきれない
その気持ちは後で言おう
そういえば樹が私と一緒にお風呂に入りたいって言っていたのはこのためか
拒んだことを申し訳なく思うけど
さすがに今から、誘う元気はない
結構長い時間、湯船に浸かったので休憩がてらシャワーを浴びるためにシャワー室へ
といっても、同じバスルームにあり透明なガラス張りになっている
一人だから別に何も気にすることはない
そんな安心感からなのか、自然と口から鼻歌がでるぐらいご機嫌モード満載
その時、ガチャってバスルームのドアが開き、そこには全裸の樹が
30歳を超えたけど、今でも時間のある時はトレーニングをして引き締まった身体を維持している
突然入ってきた樹に戸惑う
樹がシャワー室に向かって来たけど、私はどうして良いかわからず、ひたすらシャワーを浴び続ける
シャワー室のドアを開け、樹が入って来て背後からギュッって抱きしめてきた
呟いたってシャワーの音がうるさい中
「恋人に戻ったごっこ始めるよ」
って呟いた
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