breath
「樹、一つ聞いていい?」
「何?」
ワインでほろ酔いになった私がふと思い出した事
「3年前ここに来た時、樹泣いたよね?」
「そうだったっけ?」
樹の顔が少し引きつっている?
ボケたふりをしているけど絶対覚えているなと思った
「忘れてないでしょう?」
「うっ、うん」
なぜか、最近私達の立場は逆転して私主導になってきている
子供を産んで強くなったのだろう
「どうして泣いたの?」
何も答えない樹は、ニコニコ微笑むだけ
「言わない」
「どうして?」
「知りたい?」
私はコクンと頷く
樹は席をたち立ち、私の横に来て跪きじっと私の顔を見つめる
「あの時、俺って幸せだなって思えたんだ。あんなに明日美を苦しめたのについて来てくれて。それであの時、明日美からしてくれただろう。すべてが許された気がした」
樹は立ち上がり、ギュット私を抱きしめ
「ありがとう。これからもずっと側にいて」
「ずっと、いる。樹が嫌だと言っても、しつこいぐらい」
結婚してから病気が再発することはない
うつ病は【心の風邪】と言われているけど、今の私は温室の中にいて風邪を引く必要がないくらい幸せ
あんなに息もできないくらい苦しいことがいっぱいあったのに、今はあの頃のことが夢のだったように思える
樹が私にやったことは最低なことだったのかもしれない
あの出来事があって乗り越えられたから、今の私達の絆があるのだと思う
過去の彼に対して疑心暗鬼な時もあったけど、彼の私に対する思いは本物だと今なら思える
5年前、樹が消えて途方に暮れている私に言ってあげたい
未来の貴方は絶対幸せになっているからって
fin
「何?」
ワインでほろ酔いになった私がふと思い出した事
「3年前ここに来た時、樹泣いたよね?」
「そうだったっけ?」
樹の顔が少し引きつっている?
ボケたふりをしているけど絶対覚えているなと思った
「忘れてないでしょう?」
「うっ、うん」
なぜか、最近私達の立場は逆転して私主導になってきている
子供を産んで強くなったのだろう
「どうして泣いたの?」
何も答えない樹は、ニコニコ微笑むだけ
「言わない」
「どうして?」
「知りたい?」
私はコクンと頷く
樹は席をたち立ち、私の横に来て跪きじっと私の顔を見つめる
「あの時、俺って幸せだなって思えたんだ。あんなに明日美を苦しめたのについて来てくれて。それであの時、明日美からしてくれただろう。すべてが許された気がした」
樹は立ち上がり、ギュット私を抱きしめ
「ありがとう。これからもずっと側にいて」
「ずっと、いる。樹が嫌だと言っても、しつこいぐらい」
結婚してから病気が再発することはない
うつ病は【心の風邪】と言われているけど、今の私は温室の中にいて風邪を引く必要がないくらい幸せ
あんなに息もできないくらい苦しいことがいっぱいあったのに、今はあの頃のことが夢のだったように思える
樹が私にやったことは最低なことだったのかもしれない
あの出来事があって乗り越えられたから、今の私達の絆があるのだと思う
過去の彼に対して疑心暗鬼な時もあったけど、彼の私に対する思いは本物だと今なら思える
5年前、樹が消えて途方に暮れている私に言ってあげたい
未来の貴方は絶対幸せになっているからって
fin