breath
仕事を終え私は樹さんのマンションに帰る
私の日常の一部に樹さんの存在があり、日を重ねるごとに大きくなっている。
嬉しく思う反面不安に思う
今日知った樹さんの彼女、藤崎さんという名前
彼に直接聞くべきか迷っている
聞いたからって現状は変わらない
私がココを出ていけるわけもない
聞いてしまって、上手くいっている二人の関係を壊すのもやるせない
『待って』っていう樹さんの言葉を信じるしかないのかなとも思う
会社から樹さんのマンションまで歩く道のりで考えてしまう
合鍵で部屋に入り部屋着に着替える
夕食の準備でも樹さんって何が好きなんだろう?
私は彼の事をほとんど知らない
これで会社では婚約者として認められているのだからおかしい話
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