幼なじみ、卒業しませんか?
「はよ亜輝斗〜。ってなんで無視するの!?
あたし泣いちゃうわよ!ってなんだ。
亜輝斗。お前柚ちゃんのこと見てるのに夢ちゅ「伊月、ほんとうるせぇ黙れ」
あー、くそ。返事しないつもりだったのに。
毎日ほんと安定してうるさい。
「やぁーん、亜輝斗くんったら!!図星つかれたからってそんなに怒んないで♡」
「図星じゃねえし黙れ」
俺の背中にわざとぶつかってきたのはやっぱりこいつ。菅谷伊月(Ituki Sugaya)だ。
こいつとは中学からの付き合い。
そしてこいつは、このクラスで唯一俺の好きな人を知ってるはず。
こいつに柚のことが好きだなんて言ってないのになぜかバレた。こいつなんだ?エスパー?(分かりやすすぎてバレてしまった)
って、そんな伊月の情報どうでもいいか。
本人に言えば、調子こいてパンツ一丁でグラウンド走ってもおかしくないから言わないけど、伊月はイケメンだ。
このクラスでも割と人気がある伊月には俺みたいに小さい頃から好きだった人がいるみたいだけど俺は伊月の恋愛に興味ない。
伊月は俺のことをよく知ってるから伊月もこの通りのテンション(これが普通)でくるし、俺も俺で遠慮なし。
そんなやり取りしてるのが俺ら2人、みたいになってるからこいつと喋ってると居心地がいい。
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そろそろ伊月が大好きな
〝俺の周りに群がる女ごっこ〟
が終わっただろうと思って伊月を見たけどまだ楽しそうにしてるから無視しよう、と視線を柚に戻す。