幼なじみ、卒業しませんか?
色々無駄なことを考えていたから私は前からくる人影に全く気付かなかった。
ドンッ!!
「「うわっ!?だ、大丈夫ですか??」」
ハモっちゃったのに笑いそうになったけどぶつかっちゃったんだから笑うなんておかしいよね。
「け、怪我とかしてませんか...?」
「うん、俺は大丈夫だけど君は?」
「わ、私も怪我してないので平気ですよ!」
そう言ってぶつかった人に力こぶポーズを見せると一瞬目を丸くして、その後盛大に笑いだした。
なんで笑ってるのかよく分からないけど平気そうでよかった...。
「はー、笑った笑った(笑)君、面白いね。
名前は...って、もしかして小山内柚ちゃん?」
その人はかなりツボったのか目にはうっすら涙の膜が張っていた。
よくよく見るとイケメンだし綺麗な目してるなぁ...。
って違うぞ柚!!
今はこの人との会話をしてるんだぞ!
ハッ、やばいやばい。
聞かれてるだから答えないとだよね。
「あの...なんて...?」
「君の名前は小山内柚ちゃん?」
「へ?なんで私の名前...?」
「やっぱり。噂通りの可愛さだ。」
ぶつかった人は何か言ってたけど最後の方がボソボソ言ってて何て言ってるか聞き取れなかった。