2回目の「はじめまして」と「愛してる」


いや、正確に言うと射的の屋台の景品に目がいったのか(笑)



可愛いくまさん...。そう思ってくまさんのぬいぐるみをじーっと見るわたし、を見る夏生。



「ん?楓はあのクマのぬいぐるみ欲しいの?」


「えっ!なんで分かったの!?」


「お前の顔にでっかく書いてあったからな」




そう言ってククッと笑った夏生。



「くそう、イケメンはどんな表情をしててもイケメンじゃんか、ずるいなぁ」なんて1人でぶつぶつ言ってるわたし。


そんなわたしをよそに、夏生は射的の出店の店員さんに声をかけるとくまさんに1発で命中させた。


台の上からくまさんがぽろんと落ちたのと同時に「カランカラン!おめでとう!」っておじちゃんが言ってて、思わず笑っちゃったってのは内緒。


おじちゃんにお礼を言って2人で屋台から出ると、夏生がわたしにくまさんのぬいぐるみを渡してくれた。



「わぁ!!夏生、ありがとう」


「どういたしまして。今年の分のお土産だよ」




ニコッと笑う夏生につられてわたしも笑顔になった。



今年、ってことは来年もあるんだ...!!



もう今日はずっとにやにやしてるわたし。

それほどこの初めての花火大会が幸せなんだ。



くまさんを見つめて今日あった出来事を色々思い出していたら、わたしの顔を覗くように夏生が私を見て




「楓、顔上げて上見てみ。」




って言ったから上を見てみると...



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