2回目の「はじめまして」と「愛してる」




「「来年もこようね、こような」」




またハモったけど、夏生も同じことを考えてくれているみたいで心がじんわり温かくなったんだ。



帰り道。

「手を繋いで帰りたい」とわがままを言ったら夏生は嫌な顔1つせず優しく握ってくれた。


やっぱり夏生は優しいなぁ。


自分で言ったくせに照れているわたしを見て、夏生は目を細めた。





─────花火大会のことをたくさん話しながら歩いてると、夏生がちょっと耳貸して、って言ってきた。



「どうしたんだろう?」と不審に思ったけど、緊急事態だったら大変だから夏生のほうに耳を向けると、夏生は










「楓、何があっても俺は楓を愛してるよ。」









と囁いた。




本日2回目。




多分今のわたしは顔が真っ赤だと思う。

その証拠に夏生は私を見てケラケラ笑ってるし...。



恥ずかしすぎて更に顔が赤くなるわたしと、そんな私の様子を見て余計笑ってる夏生。




「ごめん、ククッ。いじめすぎたわ」




と笑いながら言う夏生に怒ろうと顔を上げると、急にグイッと夏生の胸に引っ張られた。





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