大事にされたいのは君
「…朋花ちゃん?」
黙ったまま返って来ない返事に、どっと襲ってきた不安から名前を口にした。どう思っただろうかなんて、今彼女が抱いているであろう想いがさっぱり分からない。思いつかない。それだけ、私が提示した情報量は多く、濃いものだった。そして改めて実感した、私は朋花ちゃんに何も話していないという事実。もしかしたら怒っているのかもしれない。それとも悲しんでいるのかも。いや、面倒に思ってるのかも…全てが可能性として大きくあり得るものだった。
しかし、彼女から返ってきた言葉はその想いを超えた先にあった。
「…これからはちゃんと相談して」
顔を上げた彼女の瞳は膜を貼り、揺れていた。それでも強く、想いのこもった視線で私を射留める。
「話してもらえるような存在じゃなかったんだなってすごくショックだったけど、そんな事も知らないで頼って貰え無い事気にしてた自分が最悪。私が力不足だっただけなのに、私ね、由梨ちゃんのせいにしてた」
「朋花ちゃん…」
「でも、私に話してくれたんだね…ありがとう」
ニッコリ微笑んだ朋花ちゃんは彼女の中のしこりが消えたような、スッキリとした表情をしていた。
「私達、友達だよね?」
朋花ちゃんの問いに、私は頷く。
「クラスで一番仲良い、特別な友達だよね?」
私は、迷う事なくそれにも頷いた。名前は変わらずとも新しい関係が始まった、そんな確信があった。きっと朋花ちゃんも同じだろうと思う。
「由梨ちゃんの寂しさ、気づけなくてごめんね」
最後に改めて謝罪をする彼女に、慌てて首を振った。
「ううん、隠してた私がいけない。寂しいのを隠して気づいて貰うのを待ってた私がいけないの」
「でも、瀬良は気づいたんだね」
「……寂しさに敏感な人だから」
私の言葉に、朋花ちゃんは少し切なそうに口元を引き締める。
「きっと私には出来なかった。瀬良が居たから、今ここでこうやって話してるんだと思う。瀬良が由梨ちゃんを変えたから…瀬良ってすごいんだね」
そうだよと、何故か私が自慢気に、誇らし気にするのを見て朋花ちゃんは笑った。
黙ったまま返って来ない返事に、どっと襲ってきた不安から名前を口にした。どう思っただろうかなんて、今彼女が抱いているであろう想いがさっぱり分からない。思いつかない。それだけ、私が提示した情報量は多く、濃いものだった。そして改めて実感した、私は朋花ちゃんに何も話していないという事実。もしかしたら怒っているのかもしれない。それとも悲しんでいるのかも。いや、面倒に思ってるのかも…全てが可能性として大きくあり得るものだった。
しかし、彼女から返ってきた言葉はその想いを超えた先にあった。
「…これからはちゃんと相談して」
顔を上げた彼女の瞳は膜を貼り、揺れていた。それでも強く、想いのこもった視線で私を射留める。
「話してもらえるような存在じゃなかったんだなってすごくショックだったけど、そんな事も知らないで頼って貰え無い事気にしてた自分が最悪。私が力不足だっただけなのに、私ね、由梨ちゃんのせいにしてた」
「朋花ちゃん…」
「でも、私に話してくれたんだね…ありがとう」
ニッコリ微笑んだ朋花ちゃんは彼女の中のしこりが消えたような、スッキリとした表情をしていた。
「私達、友達だよね?」
朋花ちゃんの問いに、私は頷く。
「クラスで一番仲良い、特別な友達だよね?」
私は、迷う事なくそれにも頷いた。名前は変わらずとも新しい関係が始まった、そんな確信があった。きっと朋花ちゃんも同じだろうと思う。
「由梨ちゃんの寂しさ、気づけなくてごめんね」
最後に改めて謝罪をする彼女に、慌てて首を振った。
「ううん、隠してた私がいけない。寂しいのを隠して気づいて貰うのを待ってた私がいけないの」
「でも、瀬良は気づいたんだね」
「……寂しさに敏感な人だから」
私の言葉に、朋花ちゃんは少し切なそうに口元を引き締める。
「きっと私には出来なかった。瀬良が居たから、今ここでこうやって話してるんだと思う。瀬良が由梨ちゃんを変えたから…瀬良ってすごいんだね」
そうだよと、何故か私が自慢気に、誇らし気にするのを見て朋花ちゃんは笑った。