To serve one's lord!!
「はぁ?お前馬鹿か?」
見られてしまったし、若干の恐怖と抵抗を覚えていたために一応助けて頂いた部類に入るわけだし。思い切ってあたしは鷹山くんに事情を説明した。そして、一喝された。
「ばっ、馬鹿って何!そんな言い方しなくてもいいでしょ!」
「考えてもみろ。てめぇが身体売って稼いだ金で生活するのを弟が喜ぶと思うか?」
「ッ......」
「脳なしめ」
はっと顔を強ばらせたあたしを見て、鷹山くんはけけ、と意地悪く笑った。
そっか。
あたし、弓弦を養っていくことに、今を生きるためだけに必死になってた。その事を弓弦がどう思うかなんて考えてなかった。
馬鹿って言われたことも脳なしって笑われたこともムカつくけど......他人のあたしに向かって、ストレートだけど、そんな響く言葉を助言にくれるなんて、中々良い奴なんじゃない?
無愛想だし、口悪いし、なんでこんな奴が王子様、だなんて騒がれているかは理解できないけどさ。
あたしはぺこり、と頭を下げる。
「とにかく、助けてくれてありがとね。それじゃ......」
「ちょっと待てよ」
「え?」
鷹山くんの、何故か余裕のなさそうな声にあたしは足を止める。
「お前、これからどうすんの?」
「どうするって......」
あたしの腕の中ですやすやと眠る弓弦を眺める。
大きくなったな、弓弦。
この子を、守らなきゃ。
身体売ろうなんてもう絶対に考えない。
真っ当に稼いだお金で、この子を育てるんだ。
「日雇いのバイト見つける。お金が貯まったらどっか安いアパートかなんかを探してそこで暮らす」
「高校は......」
「やめるしかない、ね」
「......そうか」
鷹山くんは、あたしと弓弦とを交互に見て、何かを思案している様だった。
長い長い沈黙。
あ、鷹山くんってまつげながいんだな。それに、すっごい綺麗な二重。
肌も綺麗。髪の毛もサラサラ......。
って、どこを見てるんだあたしは。
気まずさに耐えかねて、あたしはそっと鷹山くんから目を逸らした。
この沈黙は、あたしから破るべきなんだろうか?
それではお世話様でした、さようなら〜って?
いや、あたしを呼び止めて、そんで何かを考えてるってことはそれなりの理由があるんだろうし。待ってみるか。
何分経っただろうか。
鷹山くんがゆっくりと口を開いた。
実際に経過した時間は2分とかそこらなんだろうけど、あたしには何時間にも感じられた。
そして彼が放った言葉は、耳を疑うもので。
「お前ら、俺ん家来いよ」
「......はいッ?」
見られてしまったし、若干の恐怖と抵抗を覚えていたために一応助けて頂いた部類に入るわけだし。思い切ってあたしは鷹山くんに事情を説明した。そして、一喝された。
「ばっ、馬鹿って何!そんな言い方しなくてもいいでしょ!」
「考えてもみろ。てめぇが身体売って稼いだ金で生活するのを弟が喜ぶと思うか?」
「ッ......」
「脳なしめ」
はっと顔を強ばらせたあたしを見て、鷹山くんはけけ、と意地悪く笑った。
そっか。
あたし、弓弦を養っていくことに、今を生きるためだけに必死になってた。その事を弓弦がどう思うかなんて考えてなかった。
馬鹿って言われたことも脳なしって笑われたこともムカつくけど......他人のあたしに向かって、ストレートだけど、そんな響く言葉を助言にくれるなんて、中々良い奴なんじゃない?
無愛想だし、口悪いし、なんでこんな奴が王子様、だなんて騒がれているかは理解できないけどさ。
あたしはぺこり、と頭を下げる。
「とにかく、助けてくれてありがとね。それじゃ......」
「ちょっと待てよ」
「え?」
鷹山くんの、何故か余裕のなさそうな声にあたしは足を止める。
「お前、これからどうすんの?」
「どうするって......」
あたしの腕の中ですやすやと眠る弓弦を眺める。
大きくなったな、弓弦。
この子を、守らなきゃ。
身体売ろうなんてもう絶対に考えない。
真っ当に稼いだお金で、この子を育てるんだ。
「日雇いのバイト見つける。お金が貯まったらどっか安いアパートかなんかを探してそこで暮らす」
「高校は......」
「やめるしかない、ね」
「......そうか」
鷹山くんは、あたしと弓弦とを交互に見て、何かを思案している様だった。
長い長い沈黙。
あ、鷹山くんってまつげながいんだな。それに、すっごい綺麗な二重。
肌も綺麗。髪の毛もサラサラ......。
って、どこを見てるんだあたしは。
気まずさに耐えかねて、あたしはそっと鷹山くんから目を逸らした。
この沈黙は、あたしから破るべきなんだろうか?
それではお世話様でした、さようなら〜って?
いや、あたしを呼び止めて、そんで何かを考えてるってことはそれなりの理由があるんだろうし。待ってみるか。
何分経っただろうか。
鷹山くんがゆっくりと口を開いた。
実際に経過した時間は2分とかそこらなんだろうけど、あたしには何時間にも感じられた。
そして彼が放った言葉は、耳を疑うもので。
「お前ら、俺ん家来いよ」
「......はいッ?」