Vanilla
三枚しかないうちの貴重なTシャツの一枚が伸びるので止めて下さい!と言いたいが、抵抗出来ない私はシャツが伸びないように必死についていくしかない。
服の前でTシャツを離してくれたが、朝永さんが服を物色している音が聞こえると益々居心地が悪くなる。
だって目の前の動かしている手が荒々しく動いて、ハンガーが騒々しくカンカン当たる音が聞こえるから。
先程私がお店に入った時は店員さんがにこやかに寄ってきたが、今誰も私達に近付いて来ない。
というよりも、こんな不機嫌な朝永さんに声を掛けられる兵なんて居ないわよね……。
「これ、着てみろ」
ビクビクしていると目の前に出されたのは、秋にぴったりな可愛い花柄の長袖のワンピース。
「……」
だが私は受け取れずに固まる。
今、チラリと見えたお値段が、八九八〇円って見えちゃったから。
「なんだ?今此処で脱がして欲しいのか?」
苛々してそうな顔で追加された言葉。
服の前でTシャツを離してくれたが、朝永さんが服を物色している音が聞こえると益々居心地が悪くなる。
だって目の前の動かしている手が荒々しく動いて、ハンガーが騒々しくカンカン当たる音が聞こえるから。
先程私がお店に入った時は店員さんがにこやかに寄ってきたが、今誰も私達に近付いて来ない。
というよりも、こんな不機嫌な朝永さんに声を掛けられる兵なんて居ないわよね……。
「これ、着てみろ」
ビクビクしていると目の前に出されたのは、秋にぴったりな可愛い花柄の長袖のワンピース。
「……」
だが私は受け取れずに固まる。
今、チラリと見えたお値段が、八九八〇円って見えちゃったから。
「なんだ?今此処で脱がして欲しいのか?」
苛々してそうな顔で追加された言葉。