Vanilla
確かにこのままでいたら風邪を引くかもしれないって、いやいやいや!
お風呂に一緒に入るのはオカシイです!!


「降ろして下さい!」

「煩い。脱がすぞ」


その言葉にピタリと抵抗を止める。

『脱がすぞ』ってことは、脱がす気は無い。

少し安心出来たところに、背中には心地好い温かさ。
お湯に変わったようで、朝永さんがかけてくれたようだ。

とりあえず大人しくそのままでいると指先は徐々に温かさを戻し、水分を含みすぎたワンピースに重みを感じていくと同時に、この状況に気まずさを感じ始める。

私、いつまで担がれたまま?
いつ、解放されるの?

朝永さんの背中しか見えないけれど、離してくれる気配が無いんですが……?
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