Vanilla
少しの間放心した後、私も浴室を出ることにした。
謎な朝永さんの態度が気になるけれど、今日買ってもらったワンピースを洗濯したかったから。

これを買って貰った時、本当に驚いた。
まさかあの朝永さんが、私にプレゼントしてくれるなんて、微塵も思っていなかった。

だからかな、凄く嬉しかった。
男の人にプレゼントされることも初めてだったし。

だから、大切に使いたい……。

あ、でも、どうしよう。
シャワーを浴びて水分を吸い過ぎたワンピースを洗いたいのだけども、脱いでしまった後の着替えが無い。
まだこの洗面所に置いていないから。
でも、この格好で廊下を歩くと絶対怒られるよね。
だってさっきまで朝永さんが着ていた服が洗面所のシンクに、後片付けはしろよと言わんばかりに放置してあるし。
うーん……あ、バスタオル巻いていけば良いか。

その考えに至った私は浴室に戻り、ワンピースを脱ぐと、ぎゅうっと絞る。
下着もビシャビシャなのでついでに脱ぐとバスタオルを身体に巻いた。
朝永さんの濡れた服も突っ込むと洗濯機をまわした。
< 155 / 566 >

この作品をシェア

pagetop