Vanilla
ホッとしてリビングの扉を開けた。
キッチンで一口お水を飲むとソファーのよこの紙袋から薄手のタオルケットを取る。

今日は寒いが、一日の我慢……。

私は寒さを感じながらもソファーの上で横になるとタオルケットに包まると目を瞑った。




『パチッ』


眠ろうとしたらスイッチの音が聞こえて、目を開けた。

リビングに電気が点いていた。

そして目の前には私を見下ろしている朝永さん。


「俺に反抗するとは良い度胸してんな、つぐみ」

鋭い苛立ちしか感じない双眸の瞳。

冷や汗が垂れそうになった時、バッとタオルケットを剥ぎ取られると放り投げられた。


「起きろ」

反抗させない低いトーン。
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