Vanilla
反抗出来ない私は言われるがまま上半身を起こす。

すると私へと伸びてきた両手。

ビクッと身体を竦める私。

それと同時に心臓が速度を増す。

朝永さんが何をしようとしているのか全く分からないから。

朝永さんの両手は私の両肩に乗せられたと思ったら私の着ているカーディガンの襟に添えられると一気に下へ。

カーディガンを脱がされ、半袖のパジャマ姿になった私。

私、このままここで、襲われる……?

嫌な予感が過った時、身体が宙に浮いた。


「きゃっ!」

突然お姫様抱っこ。

朝永さんは私を抱っこしながらそのまま歩き出す。

リビングの電気を消すと向かうのは寝室。


まさか、まさか……


朝永さんは寝室の扉を開けた。

間接照明だけの薄暗い中、ベッドにボスン!と投げられて。

慌てて顔を向けると、私に跨る朝永さん。
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