Vanilla
「ただいま帰りましたっ。今日は許可を頂き、ありがとうございましたっ」
二十一時に帰宅すると真っ先にリビングのソファーに横向きに寝転がって寛いでいた朝永さんに御礼を言った。
私はすっぽり入るソファーを朝永さんは背が高いので長い脚がはみ出ている。
「さっさと風呂に行ったら?」
朝永さんは私を一瞥すると手に持っていた携帯を眺めながら私の言葉には触れることなく言った。
朝永さんは既にパジャマ姿のようだ。
お風呂の話題を出されたし、お風呂に行こう。
とりあえず買った物を邪魔にならなそうなキッチンに置いた時、シンクに置かれた食器が見えて、後で洗わないといけないなと考えながらお風呂に向かう。
暫くお風呂に逃げ込んでいたいけれど、今日はサッとお風呂に入った。
食器も洗わないといけないし、出掛けて掃除を全くしていないからやらないといけないもの。
お風呂から出ると今日も袖を通す。
ブカブカの長袖のTシャツ。
朝永さんの香りに包まれるだけでドキドキしてしまう。
買い物でわざと長袖パジャマを買わなかった。
スウェットのズボンだけ買って貰う気満々。