Vanilla
完全に声が聞こえなくなったので安堵して作業を続ける。
と言っても、数着。
すぐに切り終えた。
紙袋に服を詰めるといつも隅に置いている紙袋の横に置きに行きたいが、朝永さんの横に行かなくてはならない。

ツキッ。

その時、下腹部に鈍い痛みが走る。

私の生理は二日目がむちゃくちゃ重い。
明日とてつもなく嫌な予感がする。

チラリと朝永さんを見ると未だあのポーズでソファーで寛いでいる。
寝たいから早く退いて欲しい。
ソファーで寝れない。

苛々し始めるとまたお腹に痛みを感じて、私は咄嗟に手を当てた。

仕方ない、ベッドに行こう。
今日は掃除もしていないし、勝手に寝たら怒られるかな。


「朝永さん、すいません、今日はもう寝ます」

「あっそ」

恐る恐る訊くと、携帯を見たままあっさり返された。

身体が怠い。
寝よう。
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