Vanilla
「ん……」


目を開けると辺りが明るくなっていた。
慌てて状況を確認する。

深夜一時を携帯の時計で確認はした。
どうやら待ちぼうけていた私はいつの間にかこのソファーで携帯を握ったまま眠ってしまったらしい。

次に手の中の携帯を見るが、通知履歴はゼロ。

次に寝室へ走る。
ベッドは平らで綺麗な状態。

玄関に靴を確かめに行った。
靴は無い。

朝永さんは昨日帰ってきていない。

そこで私は支度をしようと決めた。
しー君の応援に行くため。


『今日は予定があり、出掛けます。夕方には帰って夕飯の準備をします。朝永さんは帰って来ますか?』

電車の中でメールした。
返信が来るか、不安と緊張が交互に押し寄せる。
気持ち悪くなりかけていた五分後、返信がきた。


『今から帰る。了解。』


あっさりした文章。
変に気が抜けた。
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