Vanilla
なんだかんだで十九時。
穂香さんも解散する気配は無い。
お腹は満腹になったが、私の携帯は静かなまま。
朝永さんから連絡なんてあるわけない。
だって一度もかかってきたことなんて無いから。
「じゃあ俺が今から朝永さんに電話をします。小嶋さんと一緒に居ると伝えます。朝永さんが好きにすれば良いと言ったら、俺の家に来て下さい」
鳴らない携帯に落ち込んでいると、そんな私に気付いた杉森さんが言った。
「もうすぐ家を出ると朝永さんには話をしてるのでしないで下さい……」
私は余計なことをして欲しくなくて言った。
好きにすればって言う姿が目に見えてるもの……。
そこに突然、「あ、そうだ、言い忘れてた!」とパチン!と両手を合わせた穂香さん。
「来週の金曜日、婚約したことを彼の部署の人達が祝ってくれるらしくて軽いパーティーするんだ。皆も来てね」
幸せオーラ全開でニコニコしている穂香さん。
幸せそうで羨ましい。
「辛いことはお酒でも飲んで忘れなさい」
落ち込み続けている私に、穂香さんが持っていたレモンチューハイのグラスを向けた。
穂香さんも解散する気配は無い。
お腹は満腹になったが、私の携帯は静かなまま。
朝永さんから連絡なんてあるわけない。
だって一度もかかってきたことなんて無いから。
「じゃあ俺が今から朝永さんに電話をします。小嶋さんと一緒に居ると伝えます。朝永さんが好きにすれば良いと言ったら、俺の家に来て下さい」
鳴らない携帯に落ち込んでいると、そんな私に気付いた杉森さんが言った。
「もうすぐ家を出ると朝永さんには話をしてるのでしないで下さい……」
私は余計なことをして欲しくなくて言った。
好きにすればって言う姿が目に見えてるもの……。
そこに突然、「あ、そうだ、言い忘れてた!」とパチン!と両手を合わせた穂香さん。
「来週の金曜日、婚約したことを彼の部署の人達が祝ってくれるらしくて軽いパーティーするんだ。皆も来てね」
幸せオーラ全開でニコニコしている穂香さん。
幸せそうで羨ましい。
「辛いことはお酒でも飲んで忘れなさい」
落ち込み続けている私に、穂香さんが持っていたレモンチューハイのグラスを向けた。