Vanilla
10
頭がガンガンする……

あまりの痛みに頭を咄嗟に抑えた。


「うぅ……頭痛い「起きろ」


痛みに耐えきれず呟くと、身の毛がよだちそうな低い声が近くから聞こえてきて。
反射的にパカっと目を開けた。

目の前には、肩肘をついて手の平に頬を預けて私を見下ろす朝永さんが居た。


あれ?
何で朝永さんが?
私、穂香さん達と居たのに。
それに今、何時?
辺りが明るいから朝なのは分かるが、いつの間に朝に?
私、居酒屋に居たはずなのに。

状況は全く掴めないが、無言で朝永さんに見つめられているせいで嫌な予感しかしなくて、サァーと真っ青になる。


「どこまで覚えてる」


どこまで?
どういう事?

私、何か言ったの?
それともしたの?
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