Vanilla
私達は二階にある社員食堂へ向かう。
私達の事業部だけでも五十人は居る。
そのせいで社員食堂はこの時間は長蛇の列が出来る。
その最後尾に並ぶと一応辺りを見渡した。

朝永さんは見当たらないな。
確認した私は口を開く。

「えっと、私も本当に、よく分からないんです……」

「何で自分のことなのに分かんないわけ!?」

有り得ないと目を見開く穂香さん。
ごもっともです。

「とりあえず、朝永さんの家で、お世話になれるみたい?」

「なんで疑問系?」

愛佳ちゃんは訝しげな顔。
言った本人の私も。

「付き合ってるの?」

すると直球で訊ねた穂香さん。

「違います!」

これは絶対否定しておこう。
< 33 / 566 >

この作品をシェア

pagetop