Vanilla
「多分」

「では帰りにスーパーに寄って帰りましょう」




仕事が終わると朝永さんと一緒にスーパーに寄った。
今日の夕飯はカレーにした。
明日の朝永さんの昼食のことも考えて。
テーブルに出来上がったカレーを並べると、今日も朝永さんは冷蔵庫からビールを取り出した。

『ブブブブブ……』

その時、ジーンズの後ろポケットに入れていた携帯が振動して。

「朝永さん、ちょっと電話がかかってきたので、先に食べてて下さいっ」

私は電話が切れてしまうかもと焦り、朝永さんの返事を聞く前にリビングの扉を開けた。
携帯を確認すると、やはり発信者はしー君。
今日は金曜日。

「もしもし、お待たせ!」

急いで玄関の扉を出ると電話に出た。

『今、忙しかった?』

気遣う優しいトーン。
しー君の声は安心する。

「大丈夫!」
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