Vanilla
「ご迷惑をお掛けしました!」

素早く頭を下げた。

「俺が飲ませたし」

頭上に聞こえてきた言葉に変に怖くなって頭を上げた。

だっていつもなら減らず口を叩く私に攻撃的な朝永さんが、気持ち悪い程潮らしいから。

朝永さんの表情を窺う。
目が合ってくれなくなった。
それにどこか気まずそうな顔。

「……私、昨日何かしました?」

思わず気になって、ストレートに訊いた。

「……」

だけど朝永さんは何も言ってくれなくて。
そのせいか微妙な空気が流れた。


昨日の私、何をしたの?
何を言ったの?


「それよりもお前、今日予定あるんだろ?風呂も入ってないだろ」

その言葉にしー君との約束を思い出し、ハッとした。

「朝ご飯、すぐに準備します!」

「あぁ」
< 389 / 566 >

この作品をシェア

pagetop