Vanilla
『昨日の』って言ったから、私のLINEは読んだでしょ?
それで全て分かるでしょ?
それよりもだ。

「もう私と話す必要は無いじゃない……」

朝永さんの予想外の行動のせいで、朝永さんが目の前に現れた時から目を見開いたままの私は口から思わずポロリ。

だって私じゃなくても、誰でも良かったんでしょ?
それが目の前から消えたんだから、もう話すことなんて無いじゃない。


「どういう意味?」

朝永さんを呆然と見ていたら、眉間に皺が出来た顔と不機嫌そうな声が返ってきて、私は三秒程固まった後、目線を斜め下へと弾かれるように向けた。

もう朝永さんとは話したくないのに、何で会話してるのバカなの私。


「つぐみ」

無視したら、急かすような苛立った声で名前を呼ばれた。
苛々するなら話し掛けなきゃ良いのに。


「朝永君、もうつぐみちゃんに関わるの止めてよ。つぐみちゃんが困ってる」
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