Vanilla
私は更に目を見開く。
だって穂香さんまでやって来たから。

昨日は秋哉って呼んでいたのに平然と。
何で私に関わってくるわけ?

流石に視界がグラついた。


「つぐみ、行くぞ」

穂香さんを無視した声と同時に私の手を掴んだ朝永さん。

何で私の手を掴むの?
穂香さんもなんで来るの?

この二人の行動が一ミリも理解出来ない。

頭の中はグルグル。

混沌。

冷静に頭が動いてくれない。

でも、心が限界を越えているのは分かる。




「……朝永さん、嘘は終わりにしましょう」

限界な私は俯きながら口を開いた。
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