Vanilla
「そんなことないです。物凄く助かりましたから。ありがとうございました」

私は杉森さんに深々と頭を下げた。

「あの時のお詫びが出来て良かった」

私が謝らないようにそう言ったのだろう。

杉森さんが謝ることなんて一つも無いのに。

「ちょっとちょっと、つぐみちゃん!どういう事!?」

そこに愛佳ちゃんの楽しんでいるような声が入ってきた。

「とりあえず愛佳ちゃん、お昼行こう。杉森さん、お昼お詫びに奢ります」


杉森さんも誘ったのはまた朝永さんが来たら面倒だから。
お詫びと言ったのに、結局利用してしまうことに申し訳なくなった。

休憩中は絶対一人にならなかった。
愛佳ちゃんにずっとくっついていた。

終業の鐘が聞こえるのと同時にトイレに走った。

そこからずっとトイレに籠った。
朝永さんと穂香さんが帰るのを待ちたかったから。
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