Vanilla

そして私はやっと休めると時計を見ると二十一時。
まだ今日は木曜日で、明日も仕事がある。
とりあえず、まだ乾いていない髪を乾かそう……。

勝手に洗面所の棚を漁り、ドライヤーのスイッチを入れる。

あぁ、やっと休めるかしら……

温風に当たると疲れがドッと押し寄せてきたのを感じると瞼が勝手に閉じていく。




「オイ」

ドライヤーを切った瞬間、低い声が飛んできた。

「ひゃあ！」

目を瞑っていた私は、驚きすぎて目を開きながらドライヤーを落としそうになった。

慌てて横を見ると、朝永さんがホラー映画のお化けのようにいつの間にか居て。
私の事を奴隷みたいに扱っていたから、そんなところに居るとは思わなかった。

私、一日に貴方に何度驚かされるの？ってくらい驚かされている。

それよりも今度は、何？