Vanilla
「きゃあっ!」


と思ったら、身体が宙に浮いた。

今度はお姫様抱っこされた。

そんな状況に心臓が更に跳び跳ねる。


「お、降ろして!」

お姫様抱っこなんて恥ずかしすぎるし、この人、私を簡単に持ちすぎ!

私は焦って足をジタバタさせて抵抗。

するとギロッと鋭い目付きで睨まれて。

「手間かけさせんな」

恐怖を感じた私は氷のように固まり、抵抗を止めた。

朝永さんは面倒そうな表情をして、前を見ると私を持ったまま歩きだした。

「重いですよ!」

「さっきも担いだ」
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