Vanilla
朝永さんは寝室の扉を開くとすぐに仄暗い間接照明を点けた。
真ん中に置かれているベッドがぼんやりだが見えるようになった。

心臓が煩すぎる。

何か私に、したりしないよね……?


「きゃあっ!」


私は思わず大きな声を出してしまった。
だって朝永さんが私をポイッとベッドに投げたから。

冷や汗が垂れてくる。

私は慌てて上半身だけ起こし、朝永さんを見る。

薄暗くて朝永さんの表情までハッキリと見えない。
でも目の前に立って私を見下ろしている。

何を、考えているの……?
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