御曹司と小説家の淡い恋模様
打ち合わせに同行する前にここははっきりさせなければならない事が何点もある。

私は勢いよく立ち上がって話し始めた。


「何点か質問があるんですけどいいですか?何で私が課長のアシスタントをしなくちゃ行けないんですか?他にも適任者はいると思うんです。それと、今日は何の打ち合わせですか?」


勢いよくまくし立てて話した。
宇津木課長の顔を見ると何故か笑っている。
何が面白いのよ。
こっちは真剣なんだから。
私の将来が決まるんだから。

ゆっくり宇津木課長は立ち上がり私と目線をあわせてゆっくり席に座らせた。

「これ以上、目立つことしたいの?」

周りを見渡すと冷たい、突き刺さる視線を近くにいる人達が私に向けている。

私は我に帰った。
これ以上目立つことはしたくない。

「・・・・すみません。」

床を見つめた。
もう何やっているのだろう。
昨日からいいことが全くない。
牢獄に入れられている気分だ。

「そんなに辛い顔しないで。」

恋人にささやく優しい声で宇津木課長は私に話しかけた。

いくら優しく声をかけられようが私には響かない。
なんせ牢獄にいるのだから。

「ちゃんと話をするから会議室へ行こう。」

そう話すと宇津木課長は部下に仕事の指示を出した後、私を会議室へと連れ去っていった。




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