御曹司と小説家の淡い恋模様
「もう1つの質問の答えだけど双葉書房に打ち合わせに行く。榎田さんにもついて来て欲しい。」


「・・・そうですか。」


頭の中の回線が混乱してたので、軽く返事をしてしまった。
よく考えるとまずいよね。
双葉書房。
それは、私が小説家としてデビューさせてくれた出版社。

双葉書房での打ち合わせは、ほぼ全ての社員から挨拶される程。


「何時のアポイントですか?」

「10時だ。」


時計を見ると9時10分。
もう出る時間。

「もう、出ないとですよね。トイレ行ってきます。」

私は勢いよく会議室を出て自分のデスクから携帯を取り、女子トイレへ駆け込んだ。
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