俺様上司に、跪いて愛を乞え〜彼目線〜激甘編を追加
そんな俺の考えをよそに、
「……部長に言われた仕事を今日中にしないとって思ってたら、いつの間にか寝て……ごめんなさい!」
彼女がそう謝ってきて、「なんで謝る?」と聞き返した。
いろいろと頭の中で考えていたこともあって、やっぱりこいつも他の奴らと同じかと感じる。
「……寝てしまったことを怒られるかと思って部長に……すいません」
謝ってばかりの彼女にため息を吐き、顔を近づけて、
「俺は、怒ってなどいない。だから、いちいち謝るな」
言うと、彼女はなぜかほんのりと頬を赤らめた。
「……あ、あの……」
声を詰まらせつと目を逸らすのに、つい自分まで照れそうにもなる。
社内に2人っきりという雰囲気に耐えられなくもなって、空気を変えようと咳払いをすると、
「……仕事の方は出来たのか?」
と、尋ねた。
「あ、はい!」
手渡されたファイルをチェックして、「……いいだろう」と答えた。
「……すいません、今度からはこんなミスはないようにしますので」
言う彼女を、まだ謝るのかとややうんざりとしながら見下ろすと、その目の下には隈が浮かんでいた。
(隈とか、どうしてそこまで根を詰めたんだよ……)さっきまでのうんざりとしていた気持ちも吹き飛んで、俺は、
「……帰れよ」
そう、呟いていた。