俺様上司に、跪いて愛を乞え〜彼目線〜激甘編を追加

そんな俺の考えをよそに、

「……部長に言われた仕事を今日中にしないとって思ってたら、いつの間にか寝て……ごめんなさい!」

彼女がそう謝ってきて、「なんで謝る?」と聞き返した。

いろいろと頭の中で考えていたこともあって、やっぱりこいつも他の奴らと同じかと感じる。

「……寝てしまったことを怒られるかと思って部長に……すいません」

謝ってばかりの彼女にため息を吐き、顔を近づけて、

「俺は、怒ってなどいない。だから、いちいち謝るな」

言うと、彼女はなぜかほんのりと頬を赤らめた。

「……あ、あの……」

声を詰まらせつと目を逸らすのに、つい自分まで照れそうにもなる。

社内に2人っきりという雰囲気に耐えられなくもなって、空気を変えようと咳払いをすると、

「……仕事の方は出来たのか?」

と、尋ねた。

「あ、はい!」

手渡されたファイルをチェックして、「……いいだろう」と答えた。

「……すいません、今度からはこんなミスはないようにしますので」

言う彼女を、まだ謝るのかとややうんざりとしながら見下ろすと、その目の下には隈が浮かんでいた。

(隈とか、どうしてそこまで根を詰めたんだよ……)さっきまでのうんざりとしていた気持ちも吹き飛んで、俺は、

「……帰れよ」

そう、呟いていた。


< 8 / 41 >

この作品をシェア

pagetop