秘/恋
「仕方ないわね。今日のところは、あなたと話ができただけで収穫ってコトで」
言葉ほど残念ではなさそうに、あっさり彼女はドアを開ける。
なぎが、立ちはだかる都倉サンに目を細めてみせた。
都倉サンも、じわり微笑んでいる。
和風美女のなぎと、バービー系の洋モノ美人の都倉貴子。
豪華。夢の対決。でもどちらも生き物として生気が満ち溢れすぎて、怯む。
「都倉、そういうワケだから」
「どうぞ。じゃあ、明姫さん。またね」
ひらり。
なぎに連れ出されるあたしに、都倉サンが手を振った。