秘/恋
五限開始のチャイムを聞きながら、図書室奥の秘密の小部屋のソファに身体を沈める。
これで、午後の授業も全滅。
なんのために学校に来たのか、さっぱりわからない。
「あきちん、エサ」
がたつくパイプ椅子に座ったなぎが、黄色い箱を投げてくれる。
「ありがとー」
正気に返ると、しみじみお腹が空いている。
てのひらで受け止めたカロリーメイトを、ありがたく拝んだ。
しばらく、頬杖をつくなぎを前に、もそもそと口を動かす。