秘/恋



正直、いまのあたしはくたくたに使い古された雑巾みたいな気分で。

気張って意地なんて、張れる状態じゃなかった。

見苦しくむき出しの心が、ひりひり痛くなりそうなくらい。

だから、気持ちがどっちを向いて、どこに傾いているのか、バカみたいにあからさまだった。


「明良……」


目の前にいるのは、あたしの好きなひと。


運命みたいに、たどりつく。



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